上海眼鏡市場と市場獲得

 (1)上海経済および上海眼鏡市場概要
① 上海経済データ
・上海市人口約1600万人
・ 1人あたりGDP約4900ドル(前年比約10%増)
・  2002年個人所得税額は前年比41%増
② 上海経済発展要因
・ 国際都市の資質
・ 外国資本が誘導した経済成長
・ 通信等サービス発達、工業地域近接
・ 高所得者層の実質購買力
③ 上海市眼鏡市場
・上海市の近眼率は約40%(2001年)
・上海眼鏡市場年間総売上 約10億元(約150億円)
・中国人特性と眼鏡市場成長の関連
※ 見栄っ張り、1点豪華主義→所得に比し高価な眼鏡にもお金を使う(富裕層)
(2)上海市眼鏡市場調査(消費者アンケートに基づく市場現況考察)
① アンケート概要
調査対象者:最近1年間に眼鏡を購入した市民、年齢分布14~55歳、男女比1:1
対象者数:100人
調査方法:アンケート記入方式
② アンケート結果
(ⅰ)眼鏡保有数
・全体の半数以上が複数枚を保有
・年齢別では14歳~35歳世代が購入者全体の82%を占める
・収入別では月収3000元~8000元クラスが全体の78%を占める
(ⅱ)フレーム購入価格帯
・200元未満のフレーム購入者は全体の4%に過ぎない
・1000元以上のフレーム購入者は全体の32%
※ 年齢別では14歳~35歳世代、収入別では月収3000元~8000元クラス、フレーム価格帯では500元~800元と1000元~1200元がホットゾーン
(ⅲ)購入レンズ、フレーム材質
・メタル(チタン含む)フレーム、プラスチックレンズタイプが全体の3分の2を占める
(3)上海市内大型チェーン店訪問
① チェーン店概要
・売上高で上海トップ4に入る企業
・取扱ブランドは100以上、うち海外ブランドは50%弱
・フレームの価格帯は300元~8000元
② 聞き取り概要
・フレームの最多販売価格帯→1000元
※上海の平均月収は約1800元とされる。
・ レンズの最多販売価格帯
一般レンズ:99~500元(屈折率1.56)
多焦点レンズ:1200元~3000元
・フレームカラー
人気:金、ブルー、赤、ピンク
不人気:緑
・フレーム材質
人気:年配消費者→メタルフレーム、若年消費者→プラスチック
・総売上における日本ブランドの売上→10%
・総売上における眼鏡の割合→70~75%(残りはコンタクト)
・平均利益率→50%以上
・現在行っている特別販売
大学生向けセット販売…399元(フレーム込み)
・現在ターゲットにしている消費層→20~40代の富裕層
・今後のターゲット→大学生(一人っ子なのでお金をかける)
(4)上海眼鏡市場の将来と日本製眼鏡市場開拓に関する考察
① 上海市場将来性
・成長継続
・先進的開放都市
※ 今後も2010年までは毎年GDP2ケタ程度の成長か?またWTO加盟により各規制緩和が最初に行われる可能性は大。
② アンケート結果に基づく日本製眼鏡市場開拓に関する考察
(ⅰ)日本製眼鏡購入理由 《複数回答》
 1位:最先端の技術・高品質(47人)
 1位:コストパフォーマンス(47人)
 3位:ブランド力が高い(40人)
 4位:アフターサービス完備(38人)
(ⅱ)日本製眼鏡不購入理由 《複数回答》
 1位:日本製眼鏡に対する知識不足(56人)
 2位:特別な理由なし(41人)
3位:高価格(32人)
4位:日本が嫌い(15人)
(ⅲ)今後の日本製眼鏡購入可能性
可能性あり(78人)
年齢別:14~35歳が62人
収入別:月収3000元~8000元が61人
(ⅳ)次回眼鏡購入時の予算
200元~1200元に集中
(ⅴ)眼鏡購入時の最重要考慮点
1位:有名ブランドであること(44人)
2位:特定の考慮点なし(26人)
3位:デザイン優位性・高品質(23人)
4位:アフターサービス内容(4人)
(ⅵ)眼鏡に関する情報源 《複数回答》
1位:新聞広告(58人)
2位:友人の紹介(41人)
3位:テレビ広告(38人)
(ⅵ-付属)人気の広告媒体
1位:新聞雑誌(50人)
2位:ラジオ・テレビ(28人)3位:ポスターなど屋外広告(14人)
(ⅶ)好ましいと感じる販売方法
1位:大幅な値引き(53人)
2位:高級感あるサービス(17人)
3位:割引あるいは1個サービス「買一送一」(11人)
※ 日本製眼鏡への信用度は高く、さらに一般市民の間に知識が広まる(情報が入る)ことになれば、ビジネスチャンスはさらに広がることと思われる。市場を開拓するには、人気のある広告媒体の適宜使用してブランド戦略を用いる、アフターサービス体制を完備させるなど、さらに高品質・高付加価値製品を中国市場に売り込むことが要求される。
(5)中国国内販売の手法について
① 中国国内市場への販売について
・中国は外貨獲得のため輸出型企業の導入を推進、一方で(競争力の低い)国内企業を保護するため、外資企業の自社生産品以外の国内市場流通を許可していない。
・WTO加盟により、小売業、卸売業の規制緩和、解放が2005年から2007年の間に行われる予定。
② 日本の眼鏡メーカーが中国国内で製品販売を行う方法
(ⅰ)中国の総代理店と契約を締結する。
(ⅱ)日本メーカー自ら直接中国に進出し、卸売り業務を行う。
③ (ⅰ)のメリット・デメリット
メリット
・直接進出よりもコストが安い
デメリット
・市場に対する反応が鈍くなる
・代理店の動きに常に注意が必要(信用度の問題)
④ (ⅱ)のメリット・デメリット
メリット
・販売を直接コントロールできる
・小売店に直接販売できるため利幅が大きい
デメリット
・コストが高い
・ 自社で販路開拓が必要
・ 合弁企業の場合、経営悪化による撤退も難しい場合がある(薫事会全員の許可)
(6)今後の中国と市場開拓への心構えについて
① 対中ビジネスの大変革時代
・WTO加盟による法制度整備が急速に進む
・人治国家の伝統にも影響
・種々の変革が絡み合い劇的な変化が?
② 市場獲得への心構え
(ⅰ)有能な人材の獲得・育成
・現地理解
・戦略策定
・戦略実践
(ⅱ)有効なパイプ作り
・展開事業に関わる中国側キーパーソンの発掘・交流
・パイプ作りのための日本側の理解と支援
(ⅲ)情報収集力、迅速かつ的確な判断力養成
・事業展開にかかる緊急案件への即時的対応
・法制度改変等への適当な措置
・社会流行への対応
※ 現地状況の理解、不測の事態に対する即時的で的確な対応、今後要求の高まるクイックデリバリー&アフターサービス体制整備のためにも、現地拠点の整備が今後ますます必要となるだろう。

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