第16回中国(北京)国際眼鏡業展覧会レポート

 (1)概要
第16回は中国(北京)国際眼鏡業展覧会は、9月24日から26日まで北京の中国国際展覧センターで開催された。展示面積は24000㎡、出展ブースは1400近くに上り、これは昨年と比較し11%増であるとのこと。18の国と地域から約600社の出展があった。
正式なデータはないが、昨年度の中国の眼鏡生産額は全体で約110億元、うち国内最大産地である温州ではその半数の製造を担っており、製品の過半数が150の国と地域に輸出されている。
北京国際眼鏡業展覧会は上海で毎年春(今年度は04年2月18日~20日)開催される国際眼鏡展示会と並ぶ中国の2大国際眼鏡展示会であり、生産地のみならず市場としての魅力も増す中国の展示会として、その注目度はさらに高まっている。
(2)展覧内容短観
当方は開幕日の24日調査に赴いたが、会場が変わったこともあってか昨年と比較して来場者が増えている感がある。会場は3階立てであり、1階フロアに外資関連企業、2、3階が内資企業出展フロアとなっており、展示が大掛かりで人目を引く外資関連企業を目立たせる方針はこれまでの展示会同様である。外資出展ブースでは日本の大手光学企業2社、光学機器企業2社や福井、東京、大阪のメーカーなど10社程度が出展しているが、福井の企業では現地資本から内資企業フロアに出展する企業もあった。
出展状況で特に気になった点は2つあり、1つには中国の眼鏡産地である温州、丹陽(鎮江、臨海)がブースを集中させ、それぞれのエリアを築いていたことがある。垢抜けてはいないながらも、他のブースと完全に区別されたエリアイメージを造り上げ、「眼鏡産地・温州(丹陽)」を強くアピールしていた。報道によれば温州エリアは零細企業100社による300ブースの集合体であり、さらなる発展をめざす産地の強い意気込み、高い団結力を感じさせるものであった。
また1つには、中堅から大手の内資企業で、高付加価値製品を主力として打ち出す企業が増加していることがある。1500元~3000元のデザイン的にも洗練された商品がブースの最も目立つところに置かれ、来場者の関心も強い様子であった。生活レベル向上、可処分所得の増加に伴い、眼鏡について「高くてもよいもの」を市民が求め、企業がその思いに応えていると言えよう。
中には、フラッグアイテムとして金無垢眼鏡枠を展示した企業もあり、その価格は10000元~50000元と表示されていた。商品の主力というより、企業のイメージアップにつなげようとの思いが感じられた。昨年も同様の展示方法をとっていたが、ブース位置もよくなり、さらに効果的であると感じられた。
そして、これまでも何度も問題視されていたが、有名ブランドに類似した商標をもつ中国企業の出展も残念ながら散見された。昨年よりは減少している感があるが、中国市場を公正な競争の場とするために、こうした企業への規制強化は必要不可欠である。
(3)出展者の感想
・ 昨年より来場者が多いのではないか。こちらへの出展は取引先との顔合わせ等慣例的な意味もあるが、それでも新しい引き合いに繋がる可能性が高まる。これまで上海展示会には出ていなかったが、年々規模が拡大、レベルも上昇しているようだし、次はどうするか思案中。(県内メーカー)
・ 昨年同様活気がある。出展暦は数回だが、中国系メーカーの技術力向上が著しい。年々その思いを強くしている。現時点で日本レベルには届かないが、当方も身を引き締め臨んでいく必要がある。上海の展示会にも出展している。(県外メーカー)
・ かなり規模が拡大しているようだ。北京出展は5回目だが、欧米系、日系、中国系出展者それぞれが気合のこもった出展をしている。当方は外資系のOEMメーカーに対し製品を供給するのが主力で、外資系の勢いのよさは喜ばしい。当方の製品は中国系では及ばない付加価値があると自負しており、実績も多い。上海の展示会では温州など地元系が大々的に出展しているイメージがあり、今の時点では上海への出展は魅力的でない。他ブースでは中国を市場として捉えた展示方法が目立っている。(県内メーカー)
・この展示会出展は、各方面とのおつきあい的意味合いも強いが、中国系企業、その中でも中規模までの企業にとっては、出展はある種のステータス。よって今後も盛況になっていくだろう。一方、大手では展示会自体には出展せずに、近隣の高級ホテルで展示を行っているところも何社か見られた。欧米でつかわれる方式が中国でも見られるようになってきた。上海の展示会は少し前までは中国系ばかりだったが、今は外資と半々くらい。北京の展示会と変わらない状況になっている。当方としては北京、上海双方に出展していく。(県内メーカー)
・ 一番気になったのは中国産地の連携。あのパワーと団結力はすごい。客観的に見てインパクトがある。(県外メーカー)

(4)まとめ
中国経済の急成長に伴い、規模を拡大し続ける消費市場に対して、世界中の企業が重要ポイントとして販路拡大戦略を構築し、積極的にアプローチしている。特に眼鏡は、自家用車所有などに次いで自身の力(財力)を表現できる部分であり、所得の向上が商品の質・数に如実に反映されると言ってよいだろう。外資系企業の攻勢に対し、中国系企業は最大の利点であるローコストを背景として、市場の要求に対応できる高品質製品の製造に全力を注いでおり、今回の展示会でもその勢いが窺えた。
日系企業が中国眼鏡市場において販路を開拓するためには、高品質・高付加価値製品による中国製品との差別化が最も重要だが、その垣根を越えんとする中国系企業の足音が聞こえてきている。日系企業には今後さらに厳しい対応が求められるだろう。

福井県上海事務所 藤井昌和 
2003.10.10

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