中国の一部繊維製品輸出関税について

 現在、世界の繊維製品および服装市場において、中国製品の市場占有率は17%を占めております。40年におよび続いてきた繊維品に対する輸入割当制度が2005年1月1日に撤廃されますが、撤廃後の2007年には中国製品の市場占有率が50%になるとも言われており、欧米をはじめとする世界各国の繊維産業界は新たな輸入制限措置を検討している状態です。
  さて、来年からの繊維貿易の自由化を目前にして、中国政府は、輸出構造の改善と高付加価値製品輸出の奨励等を目的として、一部繊維製品に対して輸出関税をかけることを発表しました。商務部報道官が12日に発表した談話は以下の通りです。
  (1)  一部の繊維製品に対し、従量制の計算に基づく輸出関税を徴収する。経済調整の手段として、関税は透明性が高く、公正かつ公平という優れた点があり、同措置を通じて、高付加価値製品の輸出を奨励するとともに、中国の繊維製品の輸出構造をさらに改善したいと考えている。税率の設定では、企業の負担能力を十分に考慮する。
  (2)  各レベルの政府部門がサービスを強化し、繊維製品に関する輸出情報を適時に発表し、企業の秩序ある輸出を導くとともに、業界の自律を奨励する。
  (3)  繊維製品業界の投資増に関する情報を適時に発表し、中国繊維メーカーのリスク情報の開示を強化し、過剰投資や事業の重複を防止する。
  (4)   企業の積極的な海外進出を奨励し、対外投資協力や経済グローバル化への参加に貿易面の利便性や政策的バックアップを提供し、相互利益による発展の局面を作り出す。
  (5)  仲介組織の役割をさらに発揮させ、業界の自律と輸出に対するバランスの取れた誘導措置を強化する。
  (6)  国際品質基準ISO9000や国際環境基準ISO14000の取得による業界の標準化をさらに推進し、中国企業の経営管理モデルを世界レベルにする。
  (7)  さまざまな貿易促進措置を通じて、企業の自主ブランド創出、研究開発・設計への投資拡大、コア競争力の向上を奨励する。
  (8)  繊維貿易の分野では、多国間の政府・業界組織・企業の間での対話を強化し、意志疎通と理解を深め、協力と交流を展開し、中国企業の正当な管理を保護しながら共同発展を実現する。
(項目訳文は「人民網日本語版」2004年12月13日より抜粋)
  当然ながら、欧米各国はこの輸出関税実施を歓迎しておりますが、もし内容が効果的なものとならない場合は、中国繊維製品の輸入制限措置を再度検討することを匂わせております。
  こちらの報道によれば、中国現地の繊維産業関係者の間では「利益率が低い繊維製品に輸出関税を掛けられればお手上げ」「内容によっては生産体制を真剣に見直す必要がある」といった意見が出ております。
  県進出の繊維関連企業からは「間接的に欧米市場向けに出しているが、日程だけが決まり詳細がはっきりしない以上、静観するしかない」「繊維品輸出の大勢に影響ないものとするか、影響大のものとするか気になるところ」「中間製品でなく、最終製品に対する課税となるのでは?」などの意見をいただいております。
  中国繊維業界にとって重要な制度であり、同業界との関連が強い本県繊維業界にとっても今後の動向が注目されます。

福井県上海事務所 藤井昌和
2004年12月

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